赤ら顔とは
赤ら顔とは、何らかの原因によって顔が赤くなる症状のことです。原因は明らかになっていませんが、紫外線や温度変化、食べ物などが増悪因子になることがあります。赤みは鼻、頬などで目立ちやすく、毛細血管拡張と呼ばれる血管が開いて、チリチリした赤い線が出てしまうこともあります。
「ニキビの親戚」ですが、治療のアプローチが一部異なることもあるため、見分けながらの治療が大切です。
また、肌質に合ったスキンケアも心がけていきましょう。
赤ら顔の原因は?男性と女性で異なる?
赤ら顔は「酒さ」と呼ばれることもあります。原因として、下記のようなものが挙げられます。
遺伝的要因
(生まれつき)
赤ら顔は、遺伝的要因が関与している可能性が高いです。「生まれつき」といわれる症状でもあり、顔や体の特徴の1つとされています。
一方で、特定の遺伝子が原因と断定されているわけではありませんが、遺伝子変異や遺伝的傾向が、皮膚の反応性や炎症に影響を与えることも考えられます。また、男性より女性に多い傾向があります。
起床直後の朝は白いのに…毛細血管拡張によるもの
皮膚の血管は、温度調節や感情の表現といった理由で、拡張と収縮を繰り返します。
赤ら顔の人は、反応が過剰になりやすく、環境や感情の変化によって顔が赤くなりやすい傾向です。そのため、起床直後は、赤ら顔が目立たない場合がほとんどです。
ニキビ
ニキビは炎症反応の1つですが、悪化や寛解を繰り返すと、頬を中心に顔の毛細血管が発達してしまうことがあります。そうすると、ニキビが完治した後にも赤ら顔が続く場合があります。
紫外線
長期的に紫外線を浴びると、皮膚の老化を促進してしまうため、結果として赤ら顔の要因となることが知られています。紫外線は皮膚のコラーゲンを破壊し、元々の血管の構造を損ないます。
赤ら顔の症状
- 赤ら顔、毛細血管拡張
- 毛穴のブツブツ
- 目の充血、刺激感
- 鼻瘤
医学的には、赤ら顔の症状は4つに分類されます。
- 毛細血管拡張による赤み(telangiectatic)
- 毛穴のポツポツ(papulopustular)
- 目の充血や刺激感(ocular)
- 鼻瘤という鼻のごつごつ感(rhinophyma)
目と鼻の症状はやや特殊であるため、基本は赤みや毛細血管拡張と毛穴のブツブツに分類すれば問題ありません。
症状には個人差があり、毛細血管拡張が目立つ方もいれば、ブツブツがメインの症状となるケースもあります。
赤ら顔の治療
赤ら顔の治療には、医療機関での治療のほかに、生活習慣の見直しといったご自宅でできる改善方法もあります。
生活習慣・スキンケア
赤ら顔は、体質が原因となることもあり、刺激の強いアルコールや香辛料を避けると症状が落ち着きやすいです。加えて、刺激を避ける目的で、急激な温度変化や刺激(マッサージ、紫外線、洗顔やメイク時の摩擦)を肌に与えないことも赤ら顔の改善に効果的です。
また、顔の赤みは周囲からの視線も気になるため、病気自体がストレスになることも避けられません。遺伝や体質だからと諦めずに、ぜひ当院にご相談ください。
皮膚科で行う
赤ら顔治療(保険治療)
皮膚科で行う赤ら顔の治療には、ミノマイシン(一般名:ミノサイクリン塩酸塩)やビブラマイシン(一般名:ドキシサイクリン塩酸塩水和物)などの抗生物質の内服があります。いずれも、保険適用となる治療方法です。ブツブツとした丘疹が多い時や、赤みが強い際に用いられます。
また、上記の抗生物質には、抗炎症作用があり皮膚の赤みを抑える効果も期待できます。ですが、数日では効果がでないため、数週間~数ヶ月の治療期間を要します。
外用薬にも保険適用になる薬剤があります。ロゼックスゲル(一般名:メトロニダゾール)は、赤みやブツブツのある患部に、決められた回数塗ることが大切です。まれに、刺激や乾燥を感じる場合があるため、経過を見ながら使用する必要があります。
美容皮膚科で行う
赤ら顔治療(自費治療)
重度のニキビ治療に用いられるイソトレチノインの内服も、赤ら顔の治療に効果的です。ですが、保険適用ではないため、抗生物質の内服や外用薬の使用を経て、改善が見られない場合にご提案いたします。
また、アゼライン酸は穀物由来の天然の成分で、炎症を抑える効果が期待できます。赤ら顔だけではなく、ニキビ肌の治療薬として使用されることも多いです。こちらのアゼライン酸も保険適用外(自費治療)となります。
そのほか、当院で行っている自費治療には下記のものがあります。