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円形脱毛症

 

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは円形脱毛症とは、円形~楕円形に頭髪が抜けてしまう脱毛症のことです。「10円はげ」と呼ばれることもあります。脱毛している箇所と髪の毛が生えている境目がはっきりとしているのが特徴です。
見た目以外の自覚症状が少なく、周囲から指摘されて気づくことも多いです。性別に関係なく発症する可能性があり、全年齢層で発症する可能性があります。
単発の円形脱毛症はほとんどの場合、自然に治癒します。ですが、症状が進行するケースもあり、眉毛や髭など全身の毛が抜けてしまうこともあります。円形脱毛症を見つけたら、兵庫県芦屋市の芦屋駅前皮フ科ビューティクリニックへご相談ください。

円形脱毛症の原因
【男性・女性】

【男性・女性共通】

円形脱毛症の原因【男性・女性】円形脱毛症の原因は解明されていませんが、自己免疫性疾患によるものとされ、脱毛部分で自身の免疫機能が通常とは異なる働きをしていると考えられています。
また、疲れやストレス、感染症が引き金となり円形脱毛症になることもありますが、きっかけがはっきりしないケースがほとんどです。
なお、家系に円形脱毛症を発症している方がいるほど発症しやすく、アトピー性皮膚炎に罹患している方もなりやすいことが報告されています。

自己免疫疾患

近年、円形脱毛症の原因として考えられているのは、自己免疫の異常です。本来であれば身体を守る役割を果たすはずの免疫が、毛根を攻撃することで、抜けるはずのない毛髪が抜け落ちてしまいます。ただし、なぜ自己免疫に異常をきたすのかは解明されていません。

ストレス

ストレスを抱えている状態や、交感神経が活発な状態が長くなると、血管の収縮が促進されて、毛髪に十分な栄養が行き届かなくなります。そうすると、髪の毛が抜け落ちる原因になります。また、ストレスが自己免疫の異常を引き起こし、脱毛のきっかけになるという可能性も指摘されています。

アトピー性皮膚炎

円形脱毛症を発症した方のうち、おおよそ4割にアトピー素因が認められます。アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎といった疾患に罹患したことがある、もしくは家族歴があるということです。

【女性のみ】

出産

女性ホルモンには、発毛を促進する作用があります。
妊娠中には、女性ホルモンの値が通常の100倍以上にもなり、出産後には落ち着きます。この急激な女性ホルモンの増加と減少が引き金となり、円形脱毛症を発症することがあります。

円形脱毛症の症状

初期症状

以下が典型的な円形脱毛症の初期症状です。

  • 急に脱毛が始まった
  • 頭部の地肌が見える部分がある
  • 爪に「爪甲点状陥凹」とよばれる小さい凸凹がある
  • アトピー性皮膚炎、アレルギー鼻炎、気管支炎といったアトピー性疾患に罹患している
  • 頭皮が軽い違和感(いじいじ、ピリピリ)とする時がある

進行中

円形脱毛症の進行中は、初期症状に加えて、以下の症状が現れることが多いです。
初期症状に該当し、下記の症状が見られる場合は円形脱毛症が進行していると考えられます。

  • 起床時に、枕やシーツに大量の抜け毛が付着している
  • 脱毛箇所の周囲の毛を引っ張ると、痛みもなく簡単に抜ける
  • 抜けた髪の毛の毛根が細く尖っている

回復期

回復期とは、円形脱毛症が治りかけている状態を指します。
下記の症状は、円形脱毛症が治る前兆であることが多いです。

  • 脱毛箇所の一部に細い毛が生えている
  • 脱毛箇所に毛穴が点々と見える
  • 毛髪を引っ張っても簡単に抜けない

円形脱毛症の種類や分類

円形脱毛症には、主に5つの種類があります。

単発型

円形脱毛症の中で最も多く発症するのが「単発型」です。
単発型を発症したおおよそ8割の方が、1年以内に自然治癒すると考えられていますが、まれに「多発型」に進行します。

多発型

円形脱毛症が、2つ以上発生するのが「多発型」です。
治療開始から完治までは、半年から2年程度かかると言われています。また、脱毛部位が結合して拡大する、多発融合型を引き起こすこともあります。

蛇行型

脱毛部位が細長く結合し、後頭部から側頭部の生え際に沿って広がるタイプを「蛇行型」と言います。蛇行型まで進行すると、治療に複数年かかることもあります。

全頭型

円形脱毛症が頭部全体に広がり、頭髪が完全に抜け落ちた状態を「全頭型」と言います。
治りにくい症例が多く、治療は長期間に及ぶことがほとんどです。治療をしながらウィッグを使用するなど、円形脱毛症とうまく付き合う必要があります。

汎発型

全頭型が進行すると、頭髪だけでなく眉毛・まつ毛・体毛などのすべての毛が抜けてしまいます。円形脱毛症の中でも重度に分類され、治療は長期に渡ります。

円形脱毛症の治療

外用薬(塗り薬)

円形脱毛症で広く使用されている塗り薬として、免疫を抑制する作用の高いステロイド外用薬、血流を良くすることで脱毛部を小さくするカルプロニウム塩化物外用薬などがあります。

内服薬(飲み薬)

内服薬(飲み薬)飲み薬で用いられることが多いのは、セファランチン・グリチルリチン・抗アレルギー薬などです。セファランチンやグリチルリチンは詳しい作用機序は分かっていませんが、脱毛部位が小さくなる効果があるとの報告があります。抗アレルギー薬は、アトピー素因がある方は併用が推奨されています。
なお、成人以降の円形脱毛症の重症例には、ステロイド内服薬が使われることもあります。
急速に進行している場合は、ステロイドの点滴を行うこともあります。(入院加療が必要です)

ステロイド局所注射

ステロイド局所注射ステロイド局所注射とは、脱毛が起きている部位に、直接ステロイドを注入する治療方法です。ある程度脱毛範囲が狭く、円形脱毛症の数が少ない場合に良い適応となります。

紫外線療法

紫外線療法とは、有効な波長の紫外線のみを脱毛部位に照射する治療法です。
免疫反応や細胞増殖を抑えるなど、免疫の働きを調節する効果があるため、自己免疫性疾患による円形脱毛症の治療に用いられます。