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ほくろ

ほくろとは

ほくろとはほくろは、正式には「色素性母斑」もしくは「母斑細胞母斑」と言います。メラニン色素を生成するメラノサイトが変化してできた母斑細胞(ほくろ細胞)が、増殖して発生した良性腫瘍のことです。ほくろといっても、様々な種類があります。大きさや形状はもちろん、色も黒や茶色以外に赤っぽいものから青いものまであります。ほくろの深さや、メラニン色素を生成するかどうかで分類されます。

ほくろの切除は切開手術が主流でしたが、現在はレーザー治療の進歩により、比較的容易に除去できるようになりました。大きなほくろや深いほくろの場合は、切除する方がよりきれいに治ることもあります。また、皮膚科でほくろを診てもらうことは、皮膚がんの早期発見・予防のためにも重要です。

ほくろは、健康上の害がないものでも、気になりだすとストレスの原因になりかねません。健康保険を使用できるケースもありますので、ぜひ兵庫県芦屋市の芦屋駅前皮フ科ビューティクリニックへご相談ください。

ほくろの原因は?

ほくろができる原因は、まだはっきり分かっていません。遺伝や紫外線、女性ホルモンなどが関連しているのではないかと考えられています。

ほくろの種類

ほくろは、母斑細胞の存在する深さやメラニン色素の有無によって、以下のように分類されます。

Unna(ウンナ)母斑

Unna母斑は、頭、首、体幹に多くできるほくろです。1cm程度の大きさがあり、柔らかく膨らみのある特徴をしています。

Miesher母斑(ミーシャー)母斑

Miescher母斑は、顔や頭にできやすいほくろです。ドーム状に膨らんだ形状を特徴とし、毛が生えていることもあります。

Spitz(スピッツ)母斑

Spitz母斑は、主に幼児や小児に現れるほくろです。ダーモスコピー(拡大鏡)検査や病理検査により、悪性黒色腫との鑑別が必要です。

Clark(クラーク)母斑

Clark母斑は、手掌や足底を含む全身に出現する平らなほくろです。大きさは5㎜以上、形が不整形、境界が不明瞭、色に濃淡があるなどの特徴があります。

ほくろの検査

ほくろを調べる際には、ダーモスコピー検査を行います。ダーモスコピー検査とは、ダーモスコープ(ライトのついた拡大鏡)を用いて、肉眼での観察が難しいほくろやしみ、できものを詳細に調べる検査のことです。
ダーモスコープで皮膚表面の色素のパターンや分布、色調などを観察し、良悪性の評価や診断をおこないます。しかし、全ての病変をダーモスコピー検査で正確に診断できるわけではなく、確定診断には病理組織検査が必要です。

本当にほくろ?
悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性もある?

本当にほくろ?
悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性もある?皮膚にも、他の臓器と同様に悪性腫瘍が発生します。皮膚の悪性腫瘍の特徴は、症状が確認しやすく、早期発見が可能な点です。早期発見・早期治療により、手術で完治する可能性が高くなります。

色が黒く、一見ほくろに見えてしまう皮膚がんも存在します。代表例として、悪性黒色腫と基底細胞がんが挙げられます。腫瘍が大きくなるまで医療機関を受診せず、診察時には悪化している状態となっている方も少なくありませんので、気になるほくろがある時はできるだけお早めに当院へご相談ください。

悪性黒色腫
(メラノーマ)

悪性黒色腫(メラノーマ)とは、いわゆる「ほくろのがん」のことです。皮膚の悪性腫瘍の中でも特に悪性度が高く、病気が進行すると、内臓に転移することもあります。早期に発見し、手術で完全に摘出することが大切です。

日本人の場合、手足などの末端部分に生じることが多いため、手の平・足の裏・手足の指にできたほくろには注意が必要です。大きなほくろや、急にほくろができた場合には、医療機関で適切な診査・診断を受けましょう。
その他の部位のほくろも、急に大きくなるといった変化が見られる際には、悪性黒色腫の疑いがあります。

有棘細胞がん

有棘細胞がんは、表皮にある有棘層の細胞が悪性化する腫瘍のことです。基底細胞がんに次いで、発生頻度が高いものです。火傷の痕や、放射線治療後の皮膚炎から発生するケースがほとんどでしたが、近年では頭皮や顔面に発生することもあり、紫外線の影響が大きいと考えられています。

症状は、皮膚の一部が赤くなることが多く、いぼに似た硬いしこりができます。びらんや潰瘍に変化すると、出血して角化性結節ができることもあります。有棘細胞がんが進行すると、腫瘤から体液が染み出して、悪臭を放ちます。
なお、早期発見できれば、治癒する可能性が高いがんでもあります。

基底細胞がん

基底細胞がんは、高齢の方に多く見られる皮膚悪性腫瘍の一種です。
黒い色をしているため、初期にはほくろと間違われることが多いです。放置すると大きくなり、中央部がくずれてきます。なお、内臓への転移はまれですが、皮下脂肪の少ない顔面に生じると悪化しやすく、骨に到達してしまうこともあります。

ほくろと悪性黒色腫を
見分ける方法
「ABCDルール」

ほくろと悪性黒色腫を見分ける方法に、「ABCDルール」というものがあります。
ご自身でセルフチェックをする際の参考にしてください。

  • A(Asymmetry):ほくろの形が左右対称でない
  • B(Borderless):ほくろの辺縁が不明瞭
  • C(Color):ほくろの色が均一でなく、濃淡が混じっている
  • D(Diameter):ほくろの直径が6~7mm以上ある

上記の状態に当てはまる場合には、メラノーマの可能性が高いです。きちんと診断をするには、ほくろを切除して病理組織検査をする必要があります。ABCDルールに当てはまらなくても、心配なほくろがある際には、当院へご相談ください。

ほくろ除去・ほくろ取り

ほくろの除去方法には、手術と炭酸ガスレーザーがあります。ほくろのサイズや状態、ライフスタイルに応じて、最適な治療方法をご提案します。

手術【日帰り】

手術【日帰り】メスを用いてほくろを切除し、縫合します。母斑細胞を完全に取り除くことができるため、再発の可能性は低いとされています。
さらに、摘出したほくろは病理検査を行い、良性のほくろであることや取り残しの有無も確認できます。直接肌にメスを入れるため、傷跡が目立たなくなるまで時間を要する場合があります。

レーザー

レーザー炭酸ガスレーザーを使用する際には、皮膚に含まれる水分とともにほくろの組織を蒸発させます。ピンポイントで、少しずつほくろを削るイメージです。出血がなく、手術と比較すると傷跡が早く治りやすいというメリットがあります。
深い部分に母斑細胞が残ってしまうと、ほくろが再発する可能性があります。病理検査はできないため、良悪性の判断や取り残しの確認は困難です。